ニューボーンフォトはいつまでに撮るもの?気をつけたいポイントとは
日本においても、生まれてすぐの赤ちゃんの姿を写真として形に残すニューボーンフォトが普及してきました。とはいえ、いつまでに撮影したらニューボーンフォトといえるのか知らない方もいるでしょう。そこで今回は、撮影時期を始めとしたニューボーンフォトの撮影で気をつけたいポイントをお伝えします。
ニューボーンフォトはいつまでに撮る?
ニューボーンフォトとは、一言でいうと「新生児の記念写真」です。生まれてすぐの赤ちゃんだけが持つ貴重な姿や独特の雰囲気を写真に収めるには、どうしても時間制限があります。
■ニューボーンフォトに最適な時期
撮影のベストタイミングについてはフォトグラファーによって見解が異なりますが、概ね生後14日以内といわれています。生まれてから2週間後までが一番よい時期だとされる理由は、お母さんのお腹の中にいた頃の姿勢(ひざを曲げて丸まった形)を自然とできるためです。
また、生まれたばかりの赤ちゃんは1日の大半を眠っているため、撮影用のポーズを取らせやすいという面もあります。日本では生後1か月頃の記念行事としてお宮参りがあることからも、記念写真としてフォトグラファーに依頼するのであれば、遅くとも生後3週間を目途に準備したいところです。
ニューボーンフォトの魅力
もともとは、ヨーロッパやアメリカで赤ちゃんの出産報告のために撮影されていたニューボーンフォト。スマートフォンで手軽に写真を取って連絡ができる現代において、ニューボーンフォトを残す魅力とはどのような部分にあるのでしょうか。
■生まれたての赤ちゃんだけが持つ神秘性を形にして残せる
ニューボーンフォトの魅力として第一に挙げられるのは、生まれたての赤ちゃんだけが持つ特別な美しさです。フォトグラファーに依頼すれば、赤ちゃんのふわふわとしたやわらかさや特別な雰囲気、生まれたときの感動などがそのままに感じられるような写真を撮影してもらえます。
■辛いときの心の支えになる
ニューボーンフォトには生後間もない赤ちゃんだけが持つ純真無垢な美しさやかわいさが映し出されています。そんな赤ちゃんの姿が、落ち込んだり悲しんだりしたときのお母さん・お父さんの気持ちを癒してくれることでしょう。
とくに、育児には悩みやストレスが付き物で、初めてのお子さんであれば心理的な負担はなおさらです。日々成長していく赤ちゃんに寄り添い、忙しく過ぎていく毎日の中では誰でも心に余裕がなくなります。
そんなときに少しの時間でもニューボーンフォトを見返すと、気持ちの整理につながります。赤ちゃんの成長を改めて振り返り、ご自身の頑張りを客観的に感じられると、前向きな気持ちになれるのではないでしょうか。
赤ちゃんの魅力を残す記念撮影のタイミング
ニューボーンフォト以外にも、赤ちゃんが1歳を迎えるまでの記念行事はたくさんあります。この機会にあわせて確認してみましょう。
■お七夜(おしちや)
赤ちゃんの生まれた後の最初の行事といえるものが、お七夜です。赤ちゃんが誕生してからの7日間を無事に過ごせたことに感謝し、この先の健やかな成長を願います。お七夜での主なイベントは「命名式」であり、家族や親戚に赤ちゃんの名前を披露する場になります。なお、出産後のお母さんや赤ちゃんの体調を考慮し、7日にこだわらない場合も増えているようです。
■お宮参り
生後約1か月で行うお宮参りは、赤ちゃんが生まれた土地の神様である「産土神(うぶすながみ)」に参拝する行事です。一般的には、産土神が祀られている産土神社にて赤ちゃんが無事に生まれたことの感謝と健やかな成長を祈ります。正式なしきたりでは、男の子は生後31~32日目、女の子は生後32~33日目に参拝するものとされています。
■お食い初め(百日祝い)
お食い初めは平安時代からの伝統的な行事であり、赤ちゃんが一生食べ物に困らないように、健やかに成長するように願うようです。生後100日頃は乳歯が生えてくる頃でもあるため、この時期に箸を使って魚を食べさせる真似をしてお祝いをします。生後100日目に行うと決まっているわけではないので、赤ちゃんの成長に合わせて日にちを選びましょう。
■ハーフバースデー
生後6か月を迎え、日々の成長を祝うのがハーフバースデーです。アメリカやイギリスの風習に由来しますが、日本のものとは意味合いがまったく違います。もともとのハーフバースデーは、学校の長期休暇中に誕生日を迎える子どもは友達に祝ってもらえないため、誕生日の6か月前または6か月後に学校でお祝いをする、というものでした。日本では、離乳食のケーキや記念撮影をして赤ちゃんのお祝いをしています。
■初節句(桃の節句・端午の節句)
赤ちゃんが1歳までに迎える3月3日または5月5日を初節句といい、健やかな成長を願うとともに厄除けを行います。男の子であれば5月5日の端午の節句に五月人形や鯉のぼりを飾り、女の子であれば3月3日の桃の節句にひな人形を飾って食事会でお祝いをするでしょう。
ニューボーンフォトで気をつけるポイント
ニューボーンフォトでは生まれたばかりの赤ちゃんを被写体とするため、一般的な撮影とは違い繊細な対応が必要です。素敵な思い出として残すため、ニューボーンフォトをプロに依頼する際は下記のポイントに注意してください。
■新生児に対して専門知識を有しているか
赤ちゃんに無理なく安全な撮影ができることは最優先すべき事項です。首がすわっていない新生児の扱いはデリケートであり、撮影用のポーズを取らせるとなると専門の知識や経験は必須です。あなたの大切な赤ちゃんが万が一にも危険な目に遭わないためには、専門的な知識や経験を有した信頼できる相手に依頼しなければなりません。
単に実績だけでなく、資格の有無も考慮し、新生児の扱いに慣れているかをしっかり確認しましょう。どれだけかわいいポーズの写真を撮れても、赤ちゃんにけがをさせては元も子もありません。赤ちゃんは、まだ「痛い」とすら言えないことを忘れないようにしてください。
■出張撮影には対応しているか
ニューボーンフォトは早ければ生後7日程度で撮影することからも、写真スタジオに連れて行って撮影するのは赤ちゃんにもお母さんにも負担が大きく、おすすめできません。入院中の病院や自宅での撮影が可能なフォトグラファーが望ましいでしょう。病院での撮影については、トラブルにならないよう事前に撮影が可能かを確認しておきましょう。
■衛生面の管理は行き届いているか
新生児は免疫力が低く、大人には軽い風邪であっても感染すると重い症状になる場合もあります。撮影に使用する衣装や小道具は適宜交換・消毒をされているか、フォトグラファーやアシスタントはマスクを正しく着用しているか、といった新生児に対する意識ができているかを依頼する前に注意して見てみましょう。
■画像の修正スキルは充分か
赤ちゃんが頬杖をついているポーズや丸まってうつ伏せになっているポーズを写真に残したい場合、依頼相手が過去に撮影した写真を確認し、画像修正スキルが充分にあるかを見ておきましょう。
頬杖などのポーズは赤ちゃんが自力でやっているのではなく、アシスタントが頭や手を支えた状態で撮影し、画像編集でアシスタントの手を消すなどして仕上げています。あなたが望む仕上がりになっているか、写真を近くでよく見て確認してください。
ニューボーンフォトはセルフでも撮影可能
ニューボーンフォトはフォトグラファーでなければ撮れないというわけではありません。赤ちゃんが生まれて間もない時期のため、母子ともに負担をかけないよう家族で撮影するのもひとつの選択肢です。ただし、先にも述べたように新生児の扱いはデリケートです。安全上の観点から下記のポイントには注意して撮影してください。
■無理なポージングをさせない
頬杖をつくなどのポージングには専門の知識と経験を必要とします。重大な事故につながるおそれがあるので、ポージングは行わず自然な状態を撮影するようにしましょう。
■清潔なものを使用する
赤ちゃんの下に敷くシーツやぬいぐるみなどの小道具は清潔なものを使用しましょう。赤ちゃんは免疫力が低いので、肌に触れるものはきれいなものにしてください。
■直射日光や至近距離でのフラッシュは避ける
自然光の下で撮影するときれいに写せますが、直射日光は赤ちゃんの目には刺激が強すぎるため、視力に悪影響を及ぼすことがあります。自然光で撮影する際は、レースのカーテンなどで光をやわらかくしてから当たるようにしてください。同じ理由で、至近距離でのフラッシュも控えましょう。
以上、ニューボーンフォトを撮影する際に気をつけたいポイントでした。最後にひとつだけポイントを付け加えるならば、「楽しく撮影すること」を心がけましょう。形に残る思い出として写真ができあがりますが、撮影しているその瞬間の体験は撮影に居合わせたあなたの心だけに残る貴重なものです。プロに依頼するにしろ、家族で撮影するにしろ、ぜひ楽しんで撮影してください。