スピード写真と写真スタジオの証明写真の違い
証明写真は、履歴書や免許、パスポートなどで必要になりますが、写真スタジオとスピード写真のどちらで撮影するのがよいのか迷っている方も多いでしょう。そこで、ここでは証明写真の撮影でよく利用される、写真スタジオとスピード写真のそれぞれの特徴や違いなどについて紹介します。
スピード写真とは
カーテンのかかった電話ボックスのような証明写真専用の写真機が、スピード写真といわれるものです。急に写真が必要になったときや、写真のストックが切れてしまったときに、スピーディに写真を撮れるのが最大の魅力です。最近ではシール状になっているものも多く、糊を使わずに貼ることもできるため、出掛け先で写真の貼り忘れに気づいたときにも便利です。
スピード写真がダメな理由
就活の履歴書に貼る証明写真は、スピード写真や自撮りよりも写真館やスタジオで撮影するのがおすすめです。写真館やスタジオでは、プロのカメラマンが撮影するため、姿勢や表情など細かく確認しながら最適な写真を撮影してもらえます。一方、スピード写真や自撮りでは姿勢の悪さや目線の高さのずれがわかりやすかったり、写真を切り取る必要があるため見栄えが悪くなるといったリスクもあるため、オススメではありません。
スピード写真と写真館の値段相場
写真館では、写真だけなら4枚で1,600~2,000円、20枚で7,000~9,000円が相場となっており、全国展開しているチェーン店の写真スタジオでは1枚あたり500円が標準的な価格となっています。一方で、スピード写真の場合は、基本的に6枚で800~1,000円であり、1枚当たり130~170円が標準的な価格です。
写真スタジオにはどんな特徴があるのか
写真スタジオには、街の写真館や大手のチェーン店などがあり、街の中でいくつか店舗を見かけることがあるでしょう。大きな特徴としては、設備や機材が充実していることと、プロのカメラマンが撮影してくれるという点が挙げられます。こうしたスタジオでは、高機能なカメラが使われるのはもちろんのこと、被写体をより美しく見せることができる照明機材などが揃っています。
さらにスタジオには、撮影をするのに充分なスペースが確保されていますし、中には証明写真専用の撮影スペースが用意されているスタジオもあるほどです。そしてスタジオの場合は、当然のことながらプロのカメラマンが撮影してくれるので、クオリティーの高い写真が撮れることも大きなポイントです。
光の当たり具合を調整したり、被写体にどんな表情をしたらいいのかアドバイスをしたりしながら最も美しく見えるように撮影をしてくれます。それに、ネクタイの曲がりやメイクの崩れなどがある場合はそれを指摘してくれますし、自分では気づかない点まで身だしなみのチェックをしてもらうこともできます。自分ではキチンとしているつもりでも、他人の目で見ると不充分な点も見えてくることもあるので、より完璧な写真を撮影するためには必要なことだといえるでしょう。
スタジオによっては、ヘアメイクのオプションサービスが用意されているところもあるため、必要に応じてそうしたサービスを利用するのもよいといえます。また、スタジオの場合は、納得がいくまで撮り直しができることや、写真のデータをもらえるところもあるというメリットもあります。とくにデータについては、焼き増しをするときに使えますし、WEB上で写真を掲載するときにも使えて便利だといえるでしょう。
ここまでは、主に写真スタジオのメリットについて紹介してきましたが、一方でデメリットもあります。料金が高いことや、予約が必要になる場合があること、そしてスタジオだと緊張してしまう人もいることなどは、スタジオで撮影する際のデメリットになる場合があるといえるでしょう。
料金に関しては、スタジオの場合は10枚~15枚セットで2,000円~1万円程度が相場になるため、1枚あたり1,000円近くかかることもあります。しかし、クオリティーの高い写真を撮るためには仕方ない費用だといえますし、より完璧な写真にしたい人に向いているといえます。
スピード写真にはどんな特徴があるのか
スピード写真は、専用の機械の中に設けられた個室スペースに入って、機械の指示に従いながら自分で撮影するというものになります。商業施設に隣接する形で設置されていたり、駅の構内に置かれていたりすることが多いため、通勤や通学の途中で見かけることもよくあるでしょう。スピード写真の特徴としては、一人で手軽に撮影ができることと、料金が安いということが挙げられ、それがメリットにもなっています。
撮影は、ガイドに従ってやるだけなので簡単ですし、機械の操作からプリントアウトまで含めても数分程度で済ませることができます。そのため、通勤や通学の途中のちょっとした時間に撮影したり、休憩時間に近所のスピード写真で撮影したりすることも可能です。
加えて年中無休で24時間利用できるところも多いので、正月や深夜でも、自分の都合のいいときにいつでも撮影できるという利便性もあるといえます。料金については、6枚セットで700円~1,000円程度というのが相場であり、1枚あたりだと120円~170円程度になります。いずれにしても、一度の撮影で1,000円もかからない場合が多いため、先ほど紹介したスタジオの料金と比べるとリーズナブルに済ませることが可能です。
このようにスピード写真にはメリットが多いので、利用する人も多いのですが、やはり無視できないデメリットもあります。それは何かというと、写真のクオリティーが低いということであり、スタジオで撮影したものと比べると見劣りしてしまいます。スタジオであれば、プロのカメラマンが最良の状態を作って撮影してくれますが、スピード写真の場合は自分で身だしなみを整えたり表情を作ったりして撮影するしかありません。
ですので、プロが撮影するようなキレイな写真を撮ることは難しいといえますし、表情も硬くなったり暗くなったりすることがよくあります。最近のスピード写真は性能も向上して画質もよくなっているといわれていますが、それでも自分だけで上手く撮るのには限界があるため、満足できる仕上がりにならないことが多いといえます。
さらに、スピード写真は焼き増しができないので、何十枚も写真が必要な場合は何回も撮影をしなければならないという手間がかかってしまうというデメリットもあるといえるでしょう。
写真スタジオとスピード写真の違いや、使い分け
写真スタジオとスピード写真で撮影する証明写真の最大の違いは、やはり写真のクオリティーの違いだといえます。先ほども紹介したように、スタジオの場合は充実した機材や設備でプロが撮影するので、クオリティーの高い写真に仕上げることができます。
しかしスピード写真の場合は、機械の指示に従って撮影するだけなので、表情が暗くなったりして満足のいく仕上がりにならないことが多いといえるでしょう。しかし、スタジオとスピード写真にはそれぞれメリットがあるため、そのことをよく知った上で使い分けをすることも必要です。
まず、就職活動の履歴書で使う写真を撮影する場合は、クオリティーの高い写真が撮れるスタジオでの撮影を選んだほうがよいといえます。就職活動の履歴書に使う写真は、自分の第一印象を決める重要なものになりますし、選考や採用の合否を左右することもあるからです。写真に写っている表情が暗いと、採用担当者にあまりいい印象を与えませんし、そのことが合否の判断に影響してしまうこともあり得ます。
それに採用担当者は、写真が写真スタジオのものかスピード写真かを見分けることができるといわれていますので、履歴書に貼ってあるものがスピード写真だと、真剣さが足りないのではないかと判断されてしまうこともあるでしょう。こうしたことを考えると、就職活動の履歴書に使う写真は、スピード写真ではなく、スタジオで撮影したクオリティーの高いものを選んだほうがよいといえます。
しかし、アルバイトの面接で持って行く履歴書に使う写真であれば、そこまで質にこだわる必要はないのでスピード写真でもとくに問題はないでしょう。アルバイトの場合は、身だしなみさえキチンとしていれば、そこまで細かいところをチェックされることはないため、リーズナブルなスピード写真のほうが向いています。
あるいは、何かの免許やパスポートなどに必要な写真の場合も、クオリティーが重視されるわけではないため、スピード写真でもまったく問題はありません。しかし見た目にこだわりたい場合は、あえてスタジオで撮影した写真を使うのもよいといえるでしょう。
写真スタジオには、設備や機材が充実していることと、プロのカメラマンが撮影してくれるという特徴があり、スピード写真には、一人で手軽に撮影ができることと、料金が安いという特徴があります。この両方で撮影した証明写真の違いは、クオリティーの違いであり、スタジオで撮影したもののほうがキレイな仕上がりになります。そのため就職活動の履歴書に使う場合は、印象をよくするために、スタジオで撮影したものを使ったほうがよいといえるでしょう。